フラグシップモデル「Grandioso」シリーズからアナログ増幅回路をはじめ様々な技術を継承したというプリメインアンプ。エソテリックは本機のほかに「F-03A」と「F-05」という上位機をすでに発売していたので、それら2機種の弟機にもなります。
上位機同様、高い機能性と、まるでアキュフェーズのようなオプションスロット方式の拡張性も特徴。出力は100W+100W(8Ω)。
プリアンプ部は、フルバランス構成のプリアンプを採用。プリアンプからパワーアンプ最終段までの全段でL/R独立のデュアルモノラル構成を採用。パワーアンプについても前段(入力段)をバランス化。
2パラレル・プッシュプル・3段ダーリントン構成を採用。素子には、連続動作15A、瞬間動作30Aという電流供給能力を持つバイポーラトランジスターを採用。ドライブ段2段目から最終段への出力インピーダンスを下げる独自のLIDSC回路も採用することで、スピーカー駆動能力さらに高めたとしています。
電源部には633VAの大型カスタムEI電源トランスを採用。ブロックコンデンサーもチャンネルあたり10,000μF×4本のデュアルモノ構成。
ボリュームは、バランス構成とデュアルモノを両立させる独自の「ESOTERIC-QVCS(Quad Volume Control System)」方式を採用。独立させた合計4回路のラダー抵抗切替型ボリュームを、電子制御で一括コントロールする高精度ボリュームです。これもラックスやアキュフェーズの高精度ボリュームに似たものでしょう。精度と音質は期待できます。
L/R独立電源・独立回路のデュアルモノ・フォノイコライザー(MM/MC)、ハイインピーダンス・ヘッドホンの駆動も可能なヘッドホンアンプも内蔵。2バンド(TREBLE/BASS)のトーンコントロールを搭載。プリ、パワー分離使用可能。
アナログ入力端子はXLRを1系統、RCAを5系統搭載。パワーアンプ入力(XLR)、プリ出力(RCA)も備えます。スピーカーターミナル(スクリュー式)は2系統を搭載。
上位機同様、バランス回路へのこだわりと、低インピーダンス化への注力が目につきます。このあたりもアキュフェーズの影響を受けているような。
機能、回路はアキュフェーズの影響を感じさせますが、デザインはそうでもありません。というか、結構な価格のアンプだというのに、あまりデザイン面では凝っていないようにさえ見えます。
何だか間延びしたような雰囲気で垢抜けない印象。しかもどこかで見たような気がします。何に似ているのかと思ったら、デノンのAVアンプの上級機に似ていると指摘している人がいました。言われてみればそんな感じです。
2chのエソテリック専門スレでも、デザインがダサいと早速言われているようです…。内容的には悪くないように受け止められているようですが、価格が高すぎるという人も。
オプションでDAC入力を装備すれば、コストパフォーマンスは向上すると思いますが、そういう意図でこのクラスのアンプを買う人がどれくらいいるかも疑問です。
基本的にエソテリックのSACDプレーヤー/DACのK-07Xとのペアを想定しているのでしょうから、オプションが不要な人のほうが多そうです。K-07Xのユーザーは少なくないでしょうが、本機をアンプに選ぶ人はどれくらいいるのでしょう。